八章 二つの盃

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昼間聞いてしまったあのことはどう考えても、信じられなかった。 まさか結蓮がしたことだったなんて。 そんなとこはない。第一彼女がこんなことをする動機が見当たらない。 いや、本当はその動機を探すのが怖いのだ。 身近の人が自分の命を狙おうとするなんて信じたくないだけなのかもしれない。 「どうした?疲れているな」 気が着くと、劉蓮が目の前に立っている。 「ううん、劉蓮もお仕事(公務)大変だったでしょ?」 「いや、つい転寝をしていて、目が覚めたら終わっていた。そなたがやってくれたのだろう?」 「ごめんなさい。でも大変そうでだったから」 「いや、よい。皇妃は皇帝の補佐をする役目でもあるからな」 「ええ」 劉蓮が羽織っている上着を脱ぐと灯りを消した。 「劉…蓮……」 口付けをしたまま劉蓮に支えられ、ゆっくりと寝台に伏せた。 「ま、まって!」
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