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あまりの簡単な説明ぶりに、二人はあっけに取られたが、彼は話の中で胡蝶を皇妃と呼ばずに名前で呼んでいた。
「なぜ胡蝶と瑛姫を助けたのだ?」
「―――――」
「前々から思っていたのだ。お前の話し方が何処か胡蝶の話し方に似ている。まさかとは思うがそなたは…」
朗もハッとする。まさか…
「陛下、そのまさかです。私は胡蝶の父親です」
劉蓮と朗は文字通り驚きを隠せなかった。
「胡蝶が宮殿入りをした時からずっと見てまいりました。今更名乗り出ても、妻と娘を捨てた男を認めてはくれませんよ」
「………」
もっともだ。しかし、長年宮殿に使え、劉蓮のよき相談相手でもあり、責任感もつよい彼が家族を捨てたとは思えない。きっと裏ではもっと別な事情もあったのだろう。
「お、おかしいではないか!そなたは黄結蓮の遠い親戚で黄早雲という名じゃろう。胡蝶は瑛姓じゃぞ」
朗が警戒心むき出しで言う。
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