140人が本棚に入れています
本棚に追加
「何もしません。ただの犯罪者として向かい合うつもりです。証拠を手に入れるためとはいえ、事実上皇妃と公主に毒を盛ったのですから」
帝と朗は押し黙った。
この男は死を求めているだろう、そのするどい眼差しがそう訴えていた。
「――では私は秘部署に戻ります。お呼びをお待ちしております」
男は部屋をサッと出た。
この男に次のお呼びがかかるのは恐らく最後となるだろう。
そしてそれは、この男が死を迎える時でもあるだろう。
最初のコメントを投稿しよう!