ペテン師は舞い降りた

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「うわっ、案外でかいなこれは」 宿屋から少し離れていた学園に着き、学園に入ると第一にそう思い口に出していた。 すると、突然うしろから男性の声であろう声が聞こえた。 「光皇学園は面積は上級貴族の私有地に匹敵するらしいぞ、新入生」 いきなりの事にバッと振り向くと、教師のような男性が立っていた。 黒い髪にどこか鋭い藍色の眼で体はしっかりしている。 「誰ですか?」 と、冷静になり聞いてみると彼は少し苦笑いして 「悪いな、自己紹介遅れた。 ここの教師のクロウ・ラックスだよろしくな。 ……ってお前男か?」 突然声を張り上げた事に驚きを感じたが、直ぐにいらっとしてきた。 「俺は男だっつうの… たくっどいつもこいつも…」 そういうと、クロウさんはなにか言おうとしたが、いきなり白衣を来たすらりとした女性が走ってきた。 「クロウっあんたまたナンパしてるのっ」 鬼のような形相だった。 つか『また』ナンパってあんた本当に教師か… 「って俺は男だっつうの、制服見りゃ分かっだろ」 と、クロウさんに向かってプロレス技をかけようとしている、白衣の女性に向かって言った。 「へっあっ本当だ… って敬語使いなさい敬語。 あっ自己紹介しとくわ。 佐々峰雫(サザミネ シズク)保険医よ。 よろしく…えぇ~っと… クロウこの子の名前は?」 後少し変に動くと間接に大きなダメージが来るという、奇跡的な状況に陥ってるのに平然とクロウさんは応えた。 「そういや名前聞いてなかったな」 そりゃ自己紹介してなかったからな。 「俺は…騎瞳夢ですよろしくお願いします。 佐々峰先生、ラックス先生」 そういって丁寧にお辞儀をする、それを見て、佐々峰さんは笑みをもらした 「フフッなんだ敬語出来るのね、まぁ私のことは雫先生って呼んでいいからね」 そういいながら軽くウィンクをする雫先生、今度はクロウさんが 「俺はクロウでいいからな。 つか雫…お前生徒の変に色目使うなよ。 そんなに独身が寂しいか?」 その言葉の後には太い枝が折れるようなバキッという音と、クロウさんの短い悲鳴のような声が聞こえた気がしたが、あくまで気にせず。 「それではまたの御機会にお会いできる事を心よりお待ちしております」 と、丁寧にいって受付がありそうなところまで走っていった。 その後、クロウさんが 「俺のクラスだったら面白いのに…」 と言ったのは聞こえなかった。
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