逃げちゃだめ

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逃げちゃだめ

「何しに来たんだよ!お前みたいなヤツここ来ても意味ねーんだよ。」 「気持ちわる。なんだよ!その顔。」 「しばくぞ!お前」 「あいつヤバくない。めっちゃイジメられてるし。」 「あー無視。無視。」 「帰れよ!もう明日から来んなよ!」 「あいつ知ってる?…」 ………。 「ぐすっ。」 泣きながら少年は 思い出していた。 今の自分はイジメられている。誰も自分の味方はいないし、逃げる場所もない。明日もまたあの巣窟に決まりとして、行かなくてはいけない。行きたくないのに、行かなくてはいけない。 僕はなんで虐められるんだ。なにもしてないのに 確かにあいつらとは話したこともないし、毎日バカみたいにはしゃいで、先生の言うことも聞かない、不良だって思ってた。 ボクは勉強が得意だ。みんなのイメージは勉強しかできない、ただの目立たないガリ勉って思ってるんだろう。 そんなボクが気に入らないのか?いや。あいつらは誰だっていいんだ。何も考えてない。ただ楽しいからボクを虐めてるんだ。 少年は目に涙を浮かべながら、1人家路についていた。 時間は午後3時を少し回ったところ。日差しはちょうど半袖が気持ちいいほどの暖かさで、少し眠たくなりそうだ。
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