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《第５矯正施設：出口》
「はい。三島健介(みしま けんすけ)、今日で釈放になります。
今後の注意事項については、係りの者に説明を受けましたか？」
今まで使用していた人物認証カードを受け取った受付の女性が、それに目を通しながら質問をしてきた。
「説明はされました。資料も…貰いました」
「では、これでここでの生活は終了です。全ての手続きはこちらで手配しておりますので、指示通りにお願いしますね。
ご家族にも既にお伝えしておりますから」
渡したカードが返って来ない事に、彼は嬉しく感じていた。
ここから出れば、もう自由だ。
「どうもお世話になりました」
「お疲れ様でした。ご協力ありがとうございます」
短い会話を終えると、三島は足元に置いていた、大きな荷物を持ち上げる。
そして、厳重にロックされていた扉が自動的に開くと同時に、爽快な足取りで矯正施設を出て行った。
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