『Little nondiary』

シャワーは熱いくらいがちょうど良い

真夜中。

考えすぎて、頭が痛い。気分転換にシャワーを浴びようと思い立つ。
浴槽は使えない。

蛇口を捻ってシャワーを出す。お湯は熱めで。

熱いお湯が、まだ学生で未熟な僕の｢どうにかなるさ｣っていう甘ったれた考えを洗い流してくれるような気がして。

肌を焼くような熱さが、頭がくらくらするような鉄のにおいも、真っ赤な色も全て無かったことにしてくれるような気がして。

でも、それは幻想で。
僕は何にも変わっちゃいない。

僕は浴槽の中の、悩みの原因のそれに向かって微笑みかけた。

｢どうにかなるさ｣

シャワーは熱いくらいがちょうど良い。