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黒崎家―――
「ただいまー」
俺が家に帰ると妹の遊子と花梨がいた
俺の家族は2人の兄だけじゃねぇのかって?
その通りだ
黒崎一心、花梨、遊子は本当の家族じゃねぇ
俺がこいつら黒崎の人間とその周りにいる奴らの記憶を少しいじって、俺はこの家の長男という設定にした
あん時は、マジで大変だった
まぁ、そんなことはどうでもいい
リビングへ行くと、遊子は夕飯を作っていて、花梨は洗濯物を畳んでいた
「あっ!お帰りお兄ちゃん、もうすぐご飯出来るよ!」
「お帰り、一兄。」
部屋を見渡すと、いつも飛び掛かってくる奴がいなかった
「あれ、親父はどうしたんだ?」
「急用でどっか出かけたよ。今日中には帰ってくるってさ。いないほうが平和だけどね。」
さらっと爆弾発言をする花梨
「そうか。」
いつもの事だから、俺はあっさりと受け流す
すると花梨が俺の方にやってきた
「ねぇ、一兄、またあのお兄さん達来てるよ。今は一兄の部屋にいるけど…」
どうやら、俺の兄たちが来ているようだ
嬉しい気持ちを抑えつつ、俺は花梨に言った
「花梨以外に見た奴はいないよな?」
「うちだけだよ。遊子や親父には見えてないし…」
残念ながら、黒崎一心には見えている
だからと言って、彼らが死神風情に見つかるわけは無い
なんたって俺の兄貴たちだ
「そうか、教えてくれて、ありがとな。それじゃあ、俺は部屋にいるから。いつもみたいによろしくな」
最後の方は花梨にしか聞こえないようにささやき、俺はすぐに自分の部屋へと行った
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