Prologue

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暗い夜空に浮かぶのは煌々と光る鋭い月 その下に広がるのは終わりの見えない砂漠 そこに人は存在しない 居るのは人ならざる者 死んでしまった後に落ちてしまった人間の魂 現世を荒らす悪しき霊体“虚” 虚だけが住まう世界虚圏 そこにあるメノスの森の奥深く 光さえも届かない場所に彼らはいた 「……そろそろゲームを始めるか」 1人は黒い布で顔の半分を隠す青年 「……すべての奴らも強制参加だな」 1人は水浅葱色の髪の青年 「……今度は退屈しそうにないね」 1人はオレンジ色の髪の少年 三人の周りには従者らしき者達が控えている 「ゲームクリア条件はアレの奪還」 「ルールは簡単。誰にも自分の正体を知られてはいけない。もしばれたらGAME OVER。もちろんCONTINUEはなしの命がけのゲーム」 「てめぇら、気ぃ抜いてっと容赦しねえぞ。覚悟は出来てんだろうな?」 周りに居た者たちは三人に向かって膝をつき頭を垂れた 「それじゃあ、始めるぜ。」 青年の合図で彼らの姿は暗闇へと消えていった いま、史上最悪のゲームの火ぶたが切って落とされた
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