VERSION 1 良一

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中学三年の夏に、僕は練馬少年鑑別所に、入れられたのだが、おとなしく年小だった僕は、一緒に収監されていた、年上の不良たちにイジメられた。 ほとんどの少年が、傷害事件や窃盗、覚醒剤などで、捕まっていた僕も傷害罪だが、痩せこけて見るからに真面目そうな僕は、鑑別所の大部屋に移されると不良少年たちのイジメの的になった。 「おまえ、真面目そうなつらしてるけど、何やって入って来たんだ? 痴漢か下着泥棒か?」意地の悪そうな質問を同部屋の仲間からうけて、見えない所でこずかれる 僕は答えられなかった、傷害事件を起こして、現行犯逮捕されていながら僕は罪を認めていなかったからだ。 警察の取り調べでは、「気がついたら、ブロックを持って、血まみれの父の前に立っていた」それしか言えなかった、あの事件の記憶は、全て欠落していたのだただ、状況証拠と母の証言から、僕が犯人である事は確定的だった。
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