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鑑別所内では、イジメにあい、たった一人の頼りである、母も父を恐れて、面会にもほとんど来てくれなかった。
孤独な僕は自分自身さえ、信じられなくなっていた、自分の知らない間に事件を起こしてしまうのだから、どうしたらいいのだろうか?
そんな時に後から同じ中学に通っていた、まさしが偶然、鑑別所に入ってきたのだった、まさしは僕が通う中学の不良たちのリーダー的存在で、僕はそれまで、話しすらしたこともなかったのだが、体操の時間に収鑑者たちが、所内の狭い野外グラウンドに集まった時に、なんと僕を見つけて声を掛けてきたのだった。
「久藤、おまえ、見かけに寄らずやばいヤツだなぁ」
「えっ?何が…」
「知らねえのか? おまえ、新聞や週刊誌に報道されて全国的な有名人だぜ、殺人未遂中学生、少年A、眠っている父親の頭をコンクリートブロックで潰すってなぁ」
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