VERSION 1 良一

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随分と長い間、眠っていた気がする。   ◇ 新聞配達のバイクの音が聞こえてきて、起床の時間が近いことを察知する。 そろそろ目覚ましのアラームが鳴る時間かな?と、僕は目をつぶったまま考える。 少しまどろんでいた僕の耳に「ガザッ」というノイズが、聞こえてきた。 ギターアンプがベッドの横に置いてあるのだがしばらく、電源を入れた記憶はない。 自分しかいないはずの部屋に誰かがいるのだろうか? 僕は薄目を開けてみた。 その瞬間、エレキギターの大音量が狭いアパートの部屋に響き渡った! おそらくボリュームはMAXだ! 「ひっ☆△†@!…」 誰かが勝手に僕の部屋でギターを弾き始めた、しかも、音楽になってない、目茶苦茶に弾きまくっている! 僕は飛び起きてギターアンプからシールドを引き抜くと朝っぱらから、ギターを弾きまくっている正体不明の大迷惑野郎は、やっと不機嫌そうに手を止めた。
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