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僕のベッドから見ると東側の窓際の折りたたみチェアーに座っている、ギターをかかえた大迷惑野郎は、こちらを睨んでいるようだが 窓から差し込む朝の光を背にしているので、僕からはシルエットになっていてよく見えない。
「君、僕の家に勝手に上がり込んでなにやってんの?」
僕はあまりも当たり前の事をそのギターをかかえた大迷惑野郎にできるだけ冷静に質問した。
「あんたがあたしに、朝はギターのノイズを目覚まし代わりにしてくれと頼んできたんじゃないか」とその大迷惑野郎は返してきた。
驚いたことに、その声は太い男の声ではなく、女の子の声だった!
一人暮らしの僕の部屋で突然、ギターを弾きまくっていたのは金色に染めた髪を逆立てたパンクな女だった。
「僕がいつそんなこと、君にたのんだの? それ以前に君は誰?」僕には全く覚えがなかったのだ。
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