VERSION 1 良一

5/25
1011人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
女は納得いかない顔で僕を見ているので、ちょっとかわいそうになった、よく見ると色白で、なかなか美人である、僕と同じ18歳くらいの年齢だろう。 彼女のいない僕は、この子が毎朝起こしてくれるならそれもいいような気になってしまう ただし、あんなに近所迷惑な起こされかたはごめんだが、しかし、鉄雄という男はそんなに僕と似た顔をしているのだろうか? 気になるが、あまり考えている時間もないので、納得いかないといった、膨れっ面の女を玄関の前に残して、僕は自転車に乗って会社に向かった。 会社はアパートから自転車で10分くらいの場所にある、僕の仕事は水道工事業で、毎朝、社員は会社の事務所に一度集まってから、数名のグループに分かれて各現場へ向かうのだ。 僕は途中で毎朝、朝飯を買うためにコンビニに寄る、そこでスポーツ新聞に目が止まった、最近注目のなでしこジャパンの記事が一面に載っているのを発見したからだ。 僕はにわか女子サッカーファンである、彼女たちのワールドカップでの[最後まで絶対にあきらめず全力を尽くす]戦いぶりに僕は感動したのだ。
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!