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亜美は自転車の金具につかまっていた。
昌俊は、うしろに亜美が乗っていることが気になって運転に集中できなかった。とりあえず、会話をすることにした。
「どのくらい駐輪場で待ってたの?」
「そんな待ってないよ!ほんの数分だよ。」
顔は見えないけど、本当の話だとわかった。それからすぐ亜美が話かけてきた。
「昌俊、今日ちゃんと部活に集中してた?」
「もちろんしてたよ!試合近いからね。」
「嘘つき。」
亜美は笑いながら昌俊の肩に手をおく。
「なんで?!」
昌俊は少し速度を落として、亜美に耳をかたむける。
「今日よくこっち側見てたから。」
「そんなことないよ!俺が向いてるのわかってことは亜美も部活、集中してなかったんだ。」
「そうだよ。」
亜美はなんもためらいもなく返事を返した。
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