34人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
「な、なんだ!やっぱ集中してなかったんじゃん」
あまりにも返事が早かったので、俺は自転車の運転も集中できなくなるほどびっくりした。
「別にあたしは、もともとバレーボールが好きだったから、ただ練習見てただけだし。もしかして、あたしが昌俊を見てると思った?」
「何言ってんの!そんなこと思ってないから。」
笑いながら答えたが、亜美が見ていてくれていた方に期待していた。
「なんだ。思ってないんだ。」
亜美が言った。
「え?!」
思わず自転車を止めてしまった。
「冗談だよ。まったく本気にしちゃって。」
昌俊はしずかに自転車をこぎ始めた。彼はしばらく黙りこんでしまった。
「昌俊、怒ってる。」
「そんなことないよ。」
「怒ってるじゃん。」
亜美は小声で言った。昌俊が、返事を返そうとした瞬間、亜美が昌俊に寄りそった。
最初のコメントを投稿しよう!