二人の自転車

12/14

34人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
また今日もげた箱の中に日記を入れる。この日々が続くかもしれない。それか終わる。どっちにしろ今日で区切りをつけるつもりだった。 亜美は、げた箱の日記をいつものように取る。読むのを楽しみしている彼女は、昌俊の言葉におどろいた。 「今日、うしろ乗りませんか?伝えたいことがあるんだ。」 亜美は静かに日記を閉じた。 学校の時間がまるで車で走っているように流れていく。部活でも彼女が気になって集中できない。 時間が迫ってくる。彼女よりさきに駐車場で待ってなければならない。 急いで向かう。 着いた時は彼女はいなかった。しばらく待っていると、うしろから亜美の声がした。 「昌俊。」 告白までの時間が短くなっていく。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加