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「昌俊は、いい友達がいてうらやましいな。」
「えっ!どうしたの急に?」
「今日応援来てたよ!小山くん。」
「あいつかぁ。でも俺もあいつには、迷惑かけっぱなしだしね。本当の親友だよ!あいつは。」
「やっぱ二人とも親友だと同じ感じなんだ。」 亜美は心の中で二人の絆のすごさを知った。
「なんで、小山のこと知ってるの?」
「ちょっと話したから。昌俊の昔のこととかおしえてもらったよ。優しくていいやつだって。」
「そうなんだ。」
亜美とは反対の方を向きながら答えた。彼の顔は少し怒ったような顔をしていた。
「あれ、もしかして嫉妬してるの?」
「嫉妬なんかしてないから。」
「やっぱしてるじゃん!」
二人の会話がしばらくなくなった。ちょっと気まずい感じになり、亜美は反省し、さりげなく言葉を出した。
「あたしは、昌俊しか好きじゃないよ。」
彼女がそういうと昌俊の肩に頭を乗せて、寄りかかった。
「ありがとう。」
「そばにいてね。」
「うん。そばにいるから大丈夫だよ。」
このベンチもまた、あの時の自転車と同じように二人の思いを深くした。
恋というものが赤い糸のようにだんだん暖かくなっていた。
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