そばにいるから

光のような努力と暗闇の中の雨

昌俊の自転車の後ろから誰かが飛び乗る。

｢初デートなのに遅刻ですか。｣

飛び乗って来たのは彼女だった。
彼女の私服を見るのは初めてで、あまりのきれいさにびっくりした。とても高校生には見えず大人の雰囲気がした。

｢本当にごめん！そのかわり今日は楽しい日にするから。｣

｢お願いします。｣

彼女を後ろに乗せてペダルを踏む

｢じゃ、行きます！｣

｢うん！｣

地元にある映画館に向かっている時、彼女に少しお願いをされた。

｢映画であんまり泣かないでね。｣

｢泣くわけないでしょ。｣

結構俺的にはきつい願い事だった。