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「・・・亜美はなんでこのじきに転校してきたの?」
亜美は少し遅れて答える。
「あたしね、両親を事故で亡くしたの。それで実家のおばちゃんと一緒に暮らすことになったからこの学校に転校してきたってわけ。」
それを聞いて気まずい雰囲気がただよった。
「ごめん・・何も知らずに聞いて。」
「気にしないで!そういうことは聞かないとわからないし、それにあたしあんまり悲しくないんだ。」
「なんで。」
「うちの両親、仕事が忙しくていつも一人だったの。それで・・」
「無理してしゃべらなくていいよ。」
彼はとっさにいった。彼女の顔がしゃべるたびに明るい顔がだんだんと真夜中の暗さに染まりそうで怖かった。それに悲しい彼女を見たくないと思った。
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