ふたり

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「…。」 「実は、」 「実は?」 「…。」 「黙りこくってなによ。さっきから聞いてればじれったい。もしかして、あたしを自分とこの質屋に置いといて他の客に売り飛ばそうってわけじゃあないよねえ?」 突かれながらも紫は冗談ぽく言った。 艶やかな桃色肌から汗が湧き出る。 「そうよ、よくわかったなぁ」 無精も冗談ぽく笑った。
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