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夜になり和幸が帰宅した。
昼間の晃一と雅の話しをする。
真佐子はさして気にしない様子で和幸に伝えたが、内心何故安かったのかをまた考えていた。
和幸はびっくりしたようで
「二人にそんな物が見えていたなんて驚いたな」
と、言った。
そして
「何たって安いから、何かあるんじゃないかと思っていたんだよな」
とつぶやくように言った。
和幸も同じことを考えている。
真佐子は思った。
どうして安かったのか知る方法はないのだろうか…
家の中にいる白い影…いや白クマのお化け?
子供達が怖がっていないとはいえ、そのままにしていて大丈夫なのだろうか?
さっきは幽霊がいたって今さらねぇなどと呑気に考えていたが、子供達に何かあってからでは遅い。
「ねぇ和幸さん、不動産屋とか前に暮らしていた人とかに何か話しを聞けないかしらね」
真佐子は和幸に迫った。
「お、俺が聞いてくるのか?
真佐子の方がそういうことは向いてるんじゃないか?」
尻込みする和幸。
むっ。真佐子は和幸を睨んだ。
しかし結局は自分が出かけていくことになりそうだと、弱々しく笑う夫を見て思っていた。
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