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夫の和幸は予想通り雅の入園式の出席に賛成してくれた。
幼稚園、小学校と父の日のPTAくらいしか出たことがないから、照れ臭いようだったが、
「今時それが普通なんだって!」
という言葉に勇気を得たようだった。
問題はその後だ。
真佐子はビデオカメラの必要性を和幸に訴えた。
和幸も雅のかわいい姿をビデオにおさめたい!と言ってくれた。
「和幸さん今月タバコやお酒を我慢して買ってくれない?」
この年になって気持ち悪いが思い切って甘えてみる、真佐子。
「うーん、君が入園式に新しいスーツ買うって言ってたろ。
それ止めてビデオカメラを買おうよ!」
と、和幸。
むむっ、なんですって?
私に5年前のスーツ着ろって言うの?
何、俺の唯一の楽しみを我慢しろと言うのか~!?
穏やかな二人は口に出さず相手の思ってることを察した。
しかし、真佐子が残念そうに言った。
「和幸さ~ん、ごめんなさい。
スーツもう買っちゃったのよ~!」
軍配は真佐子に上がり、和幸が会社の帰りにビデオカメラを探してくることになった。
もちろん支払いは和幸のポケットマネーである。
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