一章 間幕

3/3
前へ
/6ページ
次へ
「ちょっと待って。二度と戻れないってどういうことですか。」 「そのままの意味ですね。『引力の砂時計』で繋ぎ止めていた反動で、過去か未来のどちらかに飛ばされます。行き先は誰にも分かりません。それでもいいなら、この道具をお使い下さい。」 「他にリスクの少ない物はないのですか」 「リスクですか?」 「絶対に飛んだ時間に戻れるタイプのやつとか。」 「そうですね……では『時鐘』とか。これは比較的戻ってこれやすいですが、時間移動可能範囲が前後1年半程度ですからね。条件を満たせないかと」 「……分かりました。ありがとうございます。これ、頂いて行きます。お代は」 「お代は結構ですよ。では時の流れがいいうちに。」 カラン お客さんの後ろ姿をにこやかに見送るります。 ただあの『刻鐘』と『引力の砂時計』に不具合がなければいいのですが。 いかんせん埃被ってた… まっいっか
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加