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「ちょっと待って。二度と戻れないってどういうことですか。」
「そのままの意味ですね。『引力の砂時計』で繋ぎ止めていた反動で、過去か未来のどちらかに飛ばされます。行き先は誰にも分かりません。それでもいいなら、この道具をお使い下さい。」
「他にリスクの少ない物はないのですか」
「リスクですか?」
「絶対に飛んだ時間に戻れるタイプのやつとか。」
「そうですね……では『時鐘』とか。これは比較的戻ってこれやすいですが、時間移動可能範囲が前後1年半程度ですからね。条件を満たせないかと」
「……分かりました。ありがとうございます。これ、頂いて行きます。お代は」
「お代は結構ですよ。では時の流れがいいうちに。」
カラン
お客さんの後ろ姿をにこやかに見送るります。
ただあの『刻鐘』と『引力の砂時計』に不具合がなければいいのですが。
いかんせん埃被ってた…
まっいっか
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