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「何で空部屋と書かれた紙が張ってあるんだ!?」
まさか家を間違えた?
いやいや。流石にそれはないよ。
木造アパート2階端っこ201室は確かに俺の家だ。
今朝、このドアを開けて高校に向かったはず。
「全く意味が分からないんだけど」
あー!なるほど!ドッキリか!
ふふふ。甘いよ、甘い!
これくらいでドッキリ成功とか片腹痛いわ!
ドアノブを持ち回してみると回り、そのままドアを開ける。
家の中はひっそりとしていた。何の気配も感じない。幽霊が出るんじゃないかと思ってしまうくらい不気味。
俺の知ってる我が家じゃないんですけど……
家具ないし。
物ないし。
何もないし。
まるで空部屋だ。
ドッキリにしてはやり過ぎじゃないか?
いつから俺の親はこんな手の込んだドッキリを仕掛けるようになったんだ。
見ると窓に封筒が。
『翔ちゃんへ☆彡』
中を見ると手紙が。
『借金が凄いので逃げちゃいます☆ごめんちゃい(●'ω`●)ゞ』
さらに見ると借用書が。
はは。
「ごめんちゃいじゃねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
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