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普段女子と友達になることが少ない、俺の女友達の一人。
と言っても高校一年生からの知り合いというわけじゃない。
高校二年生に上がって初めて知った女子だ。
隣の席ということで知り合っただけ。
そんな彼女がワゴン車の後部座席の窓を開けて登場した。
「何の用でございましょうか…………」
「何の用って…………道にへたり込んでいたら心配するに決まってるでしょ?」
「そうでござんすか……」
もうショックで語尾がおかしくなりんす……。
華山が引いてしまおうが、何しようが俺は気にしないんでがんす…………。
今は一人にしてほしいっちゃね…………。
「もう!取り敢えず車に乗って!」
華山に無理矢理車に乗せられたけど、俺は抵抗しない。
あぁ……。誘拐された……。
でもいいんだ……。
「……まくん!羽山くん!」
「……何でしょう?」
「本当にどうしたの?話してみて?私でよかったら相談にのるわよ?」
華山さんに優しく話し掛けられたみたいだけど、もう耳には入ってこない。
取り敢えず、俺は呆然としたまま、手に持った親からの『ごめんちゃい』手紙の入った封筒を渡した。
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