PHASE.1

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(な、何を言ってッ!!) 分からない。 理解できない。 そうやって彼女の言葉を、心が拒絶しようとする。 理解してはならないと。 ──押し止めていた感情が、溢れてしまうから。 受け入れてはならないと。 ──ひびだらけの心が、粉々に砕けてしまうから。 けれど、彼女の言葉はそんな防衛本能をも突き抜けて、僕の心へと侵入(はいっ)てくる。 (止めろ……) 生まれて初めてというくらいに激しく揺さぶられる心。 (止めてくれっ) 激しく波打つ感情の波に、必死に塞き止めていた壁はもう瓦解寸前だった。 そんな時だった。 視界の全てを、〝燃え盛る紅蓮の業火〟に支配されたのは。
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