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「だがなァ……」
「……?」
「今度は……外さねェぞッ!!」
「……ッ!?」
再び放たれる業火。
「アナッ!!」
「ッ!?」
再びアナの体を抱え、横へ飛び退く。
その数瞬後、さっきまで僕達がいた場所を物凄い熱量の熱線が通り過ぎた。
「くっ!! ……なっ、何だよこれ? こんなの……」
有り得ない、とそう僕は思いたかった。
けれど自分の目が、耳が、体の全てが訴える。
これが現実だと。
こんな有り得ない非日常的なことが現実なのだと。
熱線が通った後には、何も残ってはいなかった。
木や草、花は勿論、斜線上に建つ建築物や壁、土すらも。
1つも例外もなく、塵芥と化していた。
「……ゴクッ」
余りにも常軌を逸した光景に、思わず息を呑む。
後数秒いや、数コンマ遅かったら、僕もアナもきっと跡形もなく消されていただろう。
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