PHASE.1

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「だがなァ……」 「……?」 「今度は……外さねェぞッ!!」 「……ッ!?」 再び放たれる業火。 「アナッ!!」 「ッ!?」 再びアナの体を抱え、横へ飛び退く。 その数瞬後、さっきまで僕達がいた場所を物凄い熱量の熱線が通り過ぎた。 「くっ!! ……なっ、何だよこれ? こんなの……」 有り得ない、とそう僕は思いたかった。 けれど自分の目が、耳が、体の全てが訴える。 これが現実だと。 こんな有り得ない非日常的なことが現実なのだと。 熱線が通った後には、何も残ってはいなかった。 木や草、花は勿論、斜線上に建つ建築物や壁、土すらも。 1つも例外もなく、塵芥と化していた。 「……ゴクッ」 余りにも常軌を逸した光景に、思わず息を呑む。 後数秒いや、数コンマ遅かったら、僕もアナもきっと跡形もなく消されていただろう。
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