PHASE.1

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「やばッ、遅刻する!!」 そう言って、僕は食パン一枚を口に挟んで家を飛び出し、全力疾走で学校へ向かう。 それは僕にとっていつもと変わらない、一日の始まりの合図。 HRが始まるギリギリのところで教室に入るのも、幼馴染の愛梨に注意されるのも、そのやり取りを親友の和也と亮にからかわれるのも、僕にとって何も変わらない、ありふれた日常だった。 そんな毎日に僕は正直退屈していたけれど、満足もしていた。 そんな何の変哲も無い毎日が、ずっと続いていく筈だった…。 〝あんな事〟が起きさえしなければ……。 あの日から、僕の……綾瀬悠人の日常は狂い出した。 そう、全ては〝あの日〟から始まった。
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