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「やばッ、遅刻する!!」
そう言って、僕は食パン一枚を口に挟んで家を飛び出し、全力疾走で学校へ向かう。
それは僕にとっていつもと変わらない、一日の始まりの合図。
HRが始まるギリギリのところで教室に入るのも、幼馴染の愛梨に注意されるのも、そのやり取りを親友の和也と亮にからかわれるのも、僕にとって何も変わらない、ありふれた日常だった。
そんな毎日に僕は正直退屈していたけれど、満足もしていた。
そんな何の変哲も無い毎日が、ずっと続いていく筈だった…。
〝あんな事〟が起きさえしなければ……。
あの日から、僕の……綾瀬悠人の日常は狂い出した。
そう、全ては〝あの日〟から始まった。
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