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そんな事を思い返している内に、家の側にある公園の近くまで来ていた。
(そういや、昔ここで愛梨と良く遊んでいたっけ…)
懐かしい昔の思い出に浸りながら、公園の前を横切ろうとした時、公園の中から誰かの〝声〟が聞こえてきた。
何かあった訳じゃない。
ただなんとなく気になったから。
そんなちょっとした好奇心に駆り立てられ、僕は声のする公園の中へと向かった。
声の方へ近付くにつれ、僕の胸の高鳴りは段々と大きくなっていく。
そして、その〝声の主〟の姿が見えた瞬間、僕は〝目を奪われた〟。
そこに居たのは、1人の〝少女〟。
夕陽に照らされ、光輝く薄桃色の長い髪に、どこか幼さを残す端正な顔立ちは、雪のように真っ白な肌と身に纏う白いワンピース調の洋服に相まって、まるで人形のような出で立ちに見える。
その少女の口から溢れる歌声に、僕は時間を忘れてしまうほど魅入られていた。
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