居眠り

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居眠り

「も………り………や………」 遠くで誰かが私を読んでいる。 う…ん……? 「森屋!!また寝てるのか!」 はっ!! 今は、授業中……。 あぁ、私、睡魔に耐えきれず、寝てしまったんだ。 「全く、困ったもんだな。眠り姫は。黒板の問題を解いてきなさい」 周りから、クスクスと笑い声があがる。 数学の授業なんて聞いてなくても分かるんだからいいじゃない!! 黒板の問題をサラッと解いて席に座ると、おぉ~、とあがる歓声。 見たか!くそジジィ!! と言いたいところだけど我慢、我慢。 横で見ていた先生は、やっぱりね、と言いたげな表情で黒板へ行き、私の解答に赤いチョークで丸をつけた。 「はい、正解。今日の授業はここまで!宿題は教科書のP30~P32の予習」 「ありがとうございました!!」 生徒全員の挨拶に見送られ、ジイサン先生は教室を出ていった。
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