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休み時間。
特にやることが無いので校庭へ。
誰もいない校庭は、同情しそうなくらい寂しい。
ん……?
誰もいないはずの校庭で、なぜ植木がゆれている?
不審者、ではないだろうけど、あんな所でコソコソしているなんて、怪しすぎる!
そーっと、後ろから近づいてみた。後ろ姿からして後輩かな?
声をかけようとさらに近づくと、後輩らしき人はいきなり後ろを振り返った。
「凛くん?」
コソコソしていたのは、どうやら水谷海里の弟、水谷凛くんだった。
「先輩?」
最初は驚いた顔だった凛くんは、状況が理解できたのか、段々と笑顔になっていった。
「先輩、こんな所で何してるんですかぁ~?」
満面の笑みで聞いてくる。
「凛くんこそ何してるの?」
「この木枯れそうだったから、肥料をあげてたんですよ」
「優しいねぇ~、凛くんは。お兄さんと違って」
「兄さんと一緒にしないで下さい!兄さんは一家の中でも噛み合わないんです。考え方とか」
「ふぅ~ん…。残念な奴ね。水谷海里は……」
「あっ、もうこんな時間!僕、もう授業行きますね!」
「あっ、うん。頑張って!」
「はぁ~い!」
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