婚約

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「い、だだだ。ひっでぇ~な。怪力女」 生意気な事を言いながらもまだ床から起き上がらない。 水谷を下僕にするチャンス!! 「ごめんなさいは?」 私は少し調子に乗ってさらに、いやがらせをしようと口を開きかけた。 「森屋麗奈さぁ~ん!お手紙ですよ!お母様からですね」 郵便配達のお兄さん…。元気がいいのは結構な事ですが……、タイミング悪すぎ!! それに手紙ってもしや……。 「あの~…、森屋さん?お手紙…」 「ハイ、ハイ!私です」 「ハイ、どうぞ」 「どうも……」 郵便配達のお兄さん。他の人に配達をしにダッシュ!! 元気がよろしいこと! 水谷はいつの間に起き上がったのか、私が持っている手紙をじっと見つめる。 まるで、その手紙の内容で寿命が決まるかのように。 恐る恐る、手紙を開ける。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 麗奈へ 麗奈。あなたが、嫌がる婚約を勝手に進めるのは、お母さんも辛かったわ。 あなたはきっと幸せになれるから。 母より ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 私が納得するには、もっと長い文じゃなきゃいけないのに。 お母さんの説明は、短すぎた。
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