麗奈と海里

朝の手紙

｢もちろん、断りました！誰がアンタとなんか結婚するもんですか!!｣

それだけ、言うとスタスタと歩きだす。

これ以上、水谷と話しているのは嫌だった。

私が、蛍と水谷を嫌う理由は、沢山ある。

そのうちの一つは、私のあだ名について。

私は入学したばかりのころ、まだ学校に馴染めず、無口だった。

それに、長くて重苦しい黒髪だった私がいじめの標的になるのは、時間の問題だった。

そして、あの二人がつけたあだ名は、『幽霊女』。

暗くて、存在感の薄い私にはピッタリだって嘲笑った、今より少し幼い中学一年のアイツらの顔が、今でも脳裏に残っている。

他にも理由はあるが、全部言っていたら、日が暮れてしまう。