朝の手紙

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こいつといると、本当にイライラする! 「そんじゃ、私、次、授業なんで」 私は、そう言ってイスから立ち上がると、食堂を見回す。 ひっ! 梨花と目が合ってしまった。こちらに向かって来る。 何となく、嫌な予感。 「梨花!彼氏できたの?」 やっぱり、そう言うと思った! 「違っ―――!」 「海里って、意外といい子でしょ?お幸せにぃ~!」 人の話をちゃんと聞こうよぉ~! 私の思いはむなしくも梨花には届かず、梨花は蛍がいる方に走っていってしまった。 「ドンマイ」 「聞いてたんならアンタも弁解しなさいよ!!」 「だって僕、付き合ってるって勘違いされても、嫌じゃないよ?」 「は………?」 コイツの言葉は理解不能。何が、言いたいんだろう? 「あっ、今、僕に惚れた?」 遊んでたのか! 「なわけないでしょ!ふざけんなっ!」 水谷の頭を思いっきりひっぱたいてやったら、少しはスッキリした。
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