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バスマットに足を取られ転びそうになったリサの腕を取り、充輝が抱きしめる。リサも充輝にしがみついた。
「怖かった。転ぶかと思った…」
軽い音とともに、洗濯槽クリーナーの箱が足下に落ちた。サンタ服の20歳の女性と詰め襟の男子高校生は、カビの生えた洗濯機の横で抱き合った。
『どうしよう。私、ドキドキしてる』
今までは、充輝に抱きつくことなど平気だった。今日に限って恥ずかしいのはどういうわけだろう。充輝の部屋でひとりエッチに耽ったのが原因なのだろうか。
『あ、やだ……。もしかして、これ、あのマンガに描いてあったオチン×ン?』
下腹の上に、なにか量感のある熱いものが当たっている。プリプリした質感だ。
『充輝くんもオチン×ンを持ってるんだっ!?』
顔がカッと赤くなった。自分の身体から立ち昇る匂いが恥ずかしい。充輝はきっと気づいているに違いない。
「み、充輝くんって、洗濯機のクリーナーまで買ってるの? おばさんみたいね」
「どうせ僕は主婦っぽいですよ。母親がいないんだから、イヤでも家事上手になります。おかげで料理が好きになったんですけどね」
リサの気持ちがグラッと揺れた。
『そうだわ。充輝くんの一つ目のお願いは「家族が欲しい」だったんだわ……寂しいんだろうな。充輝くん』
充輝は家事がうまい。特に上手なのは料理で、和食も洋食も器用に作る。お菓子だって作ってしまうのだから驚いてしまう。
彼の作ったご飯を食べるとき、こんなにおいしいものを食べることができるなんて、人間とはなんと幸せな生き物なのだと思わずにはいられない。
壊滅的に料理が下手で家事ベタなリサなど、むしろ彼の邪魔になっているのではないかと心配するほどだ。
【私をおかずにオナニーしてるなんて可哀想。私が教えてあげるわ】
エロマンガのワンシーンが思い出された。オナニーをしている男の子を見つけたお姉さんは、服を脱いで少年のオチン×ンをしごくのだ。
あるいは義母が少年に、性の手ほどきをする話。
【私が教えてあげるわ。君が将来、恋人ができたとき、困らないように】
『充輝くんの二つ目の願いは「恋人が欲しい」だったのよ。私、充輝くんとセックスしたほうがいいの?』
『でも、私、教えてあげるなんて出来ないもん。教えてもらうほうよ。私って』
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