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グチャリ、ブチブチッ、ボリッ
粘着質な音と何かを噛み砕くような音が夜の暗い路地裏に響く。
そこに一筋の月光が差し込み、辺りはぼんやりと明るくなる。
グチャグチャ
バリッ、ゴキンッ
ベチャリ
音がするそこには小さな何かが、生き物らしいかたちの塊の上に乗り、もぞもぞと蠢く姿が見える。
その小さな何かは小さくジャンプし、塊の上から降りる。
ビチャッ
塊のまわりに滴る液体の上に着地し、そのままビチャビチャと液体を浴び始める。
より一層路地裏に差し込む月光が明るくなる。
辺りも先ほどよりほんのり明るみ、小さい何かのことも見えるようになる。
そこにいる何か、それは人間のようで、人間ではない。
俗に言う『バケモノ』だった。
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