始まりは、狂気

2/3
前へ
/17ページ
次へ
グチャリ、ブチブチッ、ボリッ 粘着質な音と何かを噛み砕くような音が夜の暗い路地裏に響く。 そこに一筋の月光が差し込み、辺りはぼんやりと明るくなる。 グチャグチャ バリッ、ゴキンッ ベチャリ 音がするそこには小さな何かが、生き物らしいかたちの塊の上に乗り、もぞもぞと蠢く姿が見える。 その小さな何かは小さくジャンプし、塊の上から降りる。 ビチャッ 塊のまわりに滴る液体の上に着地し、そのままビチャビチャと液体を浴び始める。 より一層路地裏に差し込む月光が明るくなる。 辺りも先ほどよりほんのり明るみ、小さい何かのことも見えるようになる。 そこにいる何か、それは人間のようで、人間ではない。 俗に言う『バケモノ』だった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加