2人が本棚に入れています
本棚に追加
時刻は朝の7時。
ドタドタと階段を駆け上がる音と、設定してある目覚まし時計の音が鳴るのはほぼ同時だった。
ベッドからもそりと腕だけを出し、目覚まし時計を探す。
カチリ
ボタンを押してけたたましい音を止める。
ガチャリ
「朝!朝よ!起きなさい!引きこもり(仮)でも時間は守りなさい!」
「んー……ん、」
ベッドの中でしばらくもぞもぞと動き、ようやく体を起こす。
「亜沙子さん、朝です。起きて、」
「分かってるって!起きたじゃない!」
「知ってる。わざと!」
にんまりと笑う目の前の女は母である。
「はぁ、母さん仕事は?」
「昨日ちゃんと締切守って出しましたー。」
「その言い方ムカつく。」
「あさちゃんは今日も学校行かないの?」
「行かないよ。明日も、明後日も。」
はぁと母はため息を付くと、部屋を出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!