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「で、自分の命を張ってまでこのアタシを呼びだしたんだ。って事は、なんかそれなりの理由があって呼んだんだよなぁ?」
「ああ、それもあるけど、個人的にお前の方がお喋りっぽそうだから呼んだってのが半分以上を占めてるな」
「ハッ、向こうのアタシとじゃ話が弾まないからチェンジってか? その発言、向こうのアタシにも聞こえてるぞ?」
「わかってる。しかも、無理にデザートイーグルを触らせるようなマネまでしちまったしな。それについては、後でちゃんと謝らせて頂く」
「別に謝る必要なんてねーよ。アイツも自分が人見知りだってのを自覚してるから、しょっちゅうこの手を使ってアタシを呼びやがる……ったく、いい加減向こうのアタシも自分一人で話せるようになれってんだ」
剣は虫の居所が悪そうに親指の爪を噛むと「んで」と、ナイフのような鋭い目を俺に向けた。
「アタシを呼んだ理由ってのはなんだ?」
「ああワリイ、スッカリ話が逸れちまったな……」
俺は一拍置くように頬を掻いて、口を開く。
「まぁ、俺がお前を呼んだ理由はお前……いや、二人の剣に対して聞きたい事があったからだ」
「ふぅん、なんだ?」
「まず、なぜお前があそこまでデザートイーグルを使いこなせるのかってのが一つ。んで、もう一つはなぜ剣はデザートイーグルに触れると人格が変わるのか、だ。これは、お前がデザートイーグルを使いこなせるのとなにか関係があるんじゃないのか?」
そう、今の俺にはこの疑問だけが頭から離れずにずっと纏わりついていた。
そもそも、デザートイーグルは自動拳銃の中でもズバ抜けて反動がデカい。
その大きさと言ったら『女性では正しく構えてないとロクに撃てやしないくらい』だ。
無論、俺とそう歳の変わらなそうな剣が易々と撃てる代物ではない。
しかし、この娘はいとも簡単にそのデザートイーグルを撃ちやがった。
それも二挺拳銃で、だ。
もはや、その時点で色々とおかしい。
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