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何故か家に居座る有希と共に朝食を食べて、一緒に家を出る。ついでに早月も一緒だ。
「何で毎日毎日あんたみたいなシスコンと一緒に学校に行かなきゃいけないの!?」
「だったら姉ちゃんの側から離れて一人で行けよ!そうしたら一緒に行かなくて済むだろうが」
「何で私が紀月から離れなきゃいけないのよ。そこから間違ってるわ」
「……何でもいいから、静かにしてちょうだい」
真ん中に挟まれながら、両端の二人の会話にため息。会話というより、これは最早喧嘩みたいなものだけど。
間に挟まれている私の身にもなって欲しい。どうしてもっと静かに出来ないのか理解出来ないんだけど。
「呆れないでよ、紀月。私悪くないわよね?」
「いやいや、そっちが悪いって!俺は悪くない」
「何ですって!?」
「何だよ!」
また睨み合う二人。言ったそばからこれなんだから、本当は仲良しなんじゃないのかしら。
どうせ否定するだろうから言わないけど。喧嘩するくらいなら仲良くしてくれた方が嬉しいのに。
毎朝こんな感じなのでもう慣れた気がするけど、一度でいいから清々しい朝を目一杯楽しんでみたい。
「あ、早月。もう学校見えてきたわよ」
視界に入ってきた中学校。早月が通っている、私や有希も通ってた中学校だ。
何故か行きたくないというような表情をしてるけど、そこは甘やかせない。ここは甘やかしたら駄目だと思う。
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