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今日出来たばかりの友達である里玖には、どうやら幼馴染みで大親友の男がいるらしい。 あまりにも楽しそうに話すから、その彼と付き合っているのかと思ったのだが。聞いてみると真っ青な顔で否定された。 「ないないない、それだけは絶対にないよ!」 「そんなに否定しなくてもいいじゃない。何、不細工な訳?」 「ううん、顔はいい方だよ。性格だっていいから、中学は人気だったし」 「なら何でそんなに否定するの?」 聞いてみても里玖は苦笑を浮かべるだけで。私にはそういう存在がいないから分からないが、幼馴染みとはそういうものなのか。 顔も良くて性格もいいのに、小さい頃から知っていると恋愛対象にはならないのかもしれない。 「ふうん、まぁいいけど」 「紀月ちゃんには幼馴染みとかっていないの?」 「幼馴染みではないけど、小学校から仲のいい存在はいるわよ。時々鬱陶しいって感じるけど」 「ふふ、何それ?そんなに仲がいいって事なんだね」 何を言っても楽しそうに笑ってくれる里玖の顔を凝視する。コロコロ表情が変わって少しも飽きる事がない。 それにどこか子犬のような無邪気さを感じるから、女の私から見てもとても可愛いと思ってしまう。 「なぁに?」 凝視している事に気が付いたらしい。相変わらず笑顔のまま、彼女は小さく首を傾げる。 「別に。小さくて可愛いなって」 「何言ってるの?私、紀月ちゃんよりは高いよ」 そうなのだ。こんなにも可愛い里玖なのだが、何故か身長だけは高い。170はないと思うけど。 小さい方が可愛いと思うのだが、これはこれで可愛らしい。それくらいでも違和感はないし。
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