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それにしてもさっきから可愛いとしか思っていない。そういう気はないのだが、友達のが移ったのかもしれない。 今はまだ現れない友達の姿が頭に浮かんでため息をつく。出来れば普通に現れて欲しいけど、多分無理だろう。 せめて里玖が引かないような現れ方をして欲しいと、それだけは強く願う事にした。 「里玖」 そんな事を考えていた時。真後ろから聞こえてきた低い声に驚いて飛び跳ねてしまいそうになる。 目の前にいた里玖は私のその反応に苦笑を浮かべていたが、あれは私が悪い訳では決してない。 「数時間ぶり、クラスメイトとは仲良くなれた?」 「お前じゃないから問題ないっての。俺だってガキじゃねえんだぞ」 仲良さげに話す二人の姿を見てすぐに分かった。きっとこの男はさっき言っていた幼馴染み君だ。 確かにかっこいいと思う。スポーツでもしているのか、背は高いし体もしっかりしている。 短過ぎないがきちんと手入れされている髪は爽やかに見えるし、染めてない髪や着崩していない制服には好感が持てる。 それにしても、すごく仲良しだ。もう私の事は見えていないのではないだろうか。 つまらないと感じてしまうが、それも仕方ない。このまま彼女達のやり取りを見るのも楽しそうーー。 「紀月!!」 「ぅきゃあ!?」 そんなくだらない事を考えていた時だった。いきなり背後から抱きつかれたので悲鳴を上げる。 どこからあんな声が出たのか。目の前で話していた二人が驚いてこっちを見ている。煩くして申し訳ない。
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