幸せ

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クリスマスイヴ当日。 待ち合わせは心斎橋。 「ゴメン、遅くなっちゃった。」 忠「大丈夫やで。まだ5分前やし。それに、美海のためやったらなんぼでも待つで。」 「ありがとう。」 町はイルミネーションに包まれて雪がかすかに降り始めていた。 「どこ行くの?」 忠「行ってからのお楽しみやで。ついてきっ。」 そう言って、忠義は私の手を握ってあの時みたいに私をどこかへ連れて行こうとした。 忠義の手ってあったかくてきれい… 温もりが私の方まで伝わった。 「何でどこ行くか教えてくれないの?」 忠「そうした方がおもろいやろ!!」 「そうだけど…あれっ!?」 忠「どうしたん?」 「桜木さん…」 忠「桜木って…美海のこと悪う言うてた奴か!?」 「うん…」 桜木さんがこっちに来た。 嫌な予感がした… 桜「何で、あんたが大倉くんと一緒におるん?」 「それは…そのっ…」 すると、忠義が私の腕を掴んで引き寄せた。 ヒャッ 忠「美海は俺の女や。お前、前に美海にひどいこと言うたやろ?俺は美海を悲しませる奴を絶対許さないで。」 桜「別にそんなつもりじゃ…」 忠「美海に謝って。」 桜「何で、うちがそんな…」 忠「美海は辛い思いしたんやで?」 桜「わかったよ…あのっ、悪かった…ゴメンな。」 桜木さんが謝った。 忠義は私なんかのために… 「全然いいよ。私気にしてないから。じゃあまた。」 桜「あっ、うん…」 桜木さんと別れた。 「忠義、ありがとう。」 忠「当たり前やろ!!これから何があっても美海をまもるから…」 「うん。ありがとう。」
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