第一夜

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「てめぇ・・おい、お前日本人だろ?金もってんだろうが。おとなしく置いてきやがれ。そしたら俺もこの女を返すし、お前も無事に帰れる・・・へへッ、公平に取引といこうじゃねぇか・・」 髭面のリーダー格の男が言う。 とんだ公平があったもんだぜ・・・ 公一は心の中でつぶやく。 「いいから早く帰んな。そうすりゃ怪我しねぇですむ。」 「・・・よっぽど痛い目にあいたいらしいな・・・」 「犬でも相手が自分より強ぇかどうかくらいわかるぜ?」 髭面がサバイバルナイフを構え、猛然と突っ込んできた。 「おりゃぁぁぁ!!」 サバイバルナイフは公一の左胸にヒットした。後ろの女は息を呑んだ。 「なん・・・だと・・」 サバイバルナイフが貫いたのは衣服だけ。刃は根元から完全に折れていた。
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