「えこ」

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「それにしてもどうしてこんな所に幼い子供がいるのでしょう…?」 ドイツの大きな上着を借りて下に敷き、イタリアの柔らかい上着を借りて枕代わりにした。もちろん先ほど同様日本の上着は毛布代わり。体を温めるとはいえ日差しはキツいので枝を組んで椰子の葉を重ねて屋根代わりの物を拵(こしら)えた。(←ドイツ作) 「早く目を覚まさないかなぁ~。名前何て言うんだろ?」 「肌の色を見る限り黄色人種、つまり日本人に近いですが…」 「でも日本の子はみんなキレイな黒髪だよね?この子は栗色だから違うんじゃない?」 「「ですね/だな…」」 服装も珍しく、白いひとつなぎのワンピース。スカートにはレースがあしらわれ、腰の位置の両側にはリボンが付いていた。 「変わった服だよね~?これってドレスかなぁ?」 「!ではどこかの国の要人ですか?!」 「いや待て!どこかの要人だとして、この戦争の中船で移動したとして果たして女子供を連れる目的はあるのか?」 3人は黙り込んでしまった。 「亡命中だったのかな?」 イタリアがぽつりと呟いた。 「そんなまさか…」 しかし有り得ない事ではなかった。 戦時中、弱小な国家の要人たちは戦火から逃れるため家族と亡命を図ることはさほど珍しくはなかったのである。 .
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