3人が本棚に入れています
本棚に追加
7月16日 8:00
『じゃあ、行ってくるわ』
バタン
『はぁ…』
私の家庭は荒れている。唯一優しい母は病気。父は暴力。兄弟もいないし、そんな二人と三人暮らし。だから毎日毎日ストレスが溜まる。それを学校で発散するんだ。
『そこ、髪!!またやったの!?何度校則違反と言えばわかるのよって、あー!そこもシャツは入れる!!』
毎日こんなことをやってる。これでも一応生徒会長。厳しすぎてみんなに嫌われてる。でも学校は私のストレス発散場所なのだから多少嫌われても気にしない。こんな私でも友達くらいはいるわ。
「今日もはりきってんねー」
『あ、水樹…ってスカート短い!』
「見逃してよー」
『だめ』
「あははっ相変わらずの真面目ちゃんだねー」
などとたっぷり嫌味のこもった笑顔で言ってくるのは水樹。すごく可愛くて皆の人気者なのよ。
『うるさい 中行くわよ』
私は時計を見て、生徒会や風紀委員に解散をかけ校舎内へ歩いて行く。
「はいはーい」
私の後ろから小走りで水樹がついてくる。今日もいつもと変わらず暑い。何1ついつもと変わらない。
「嘘つきみーつけた」
『え…?』
なに…今の……
私は振り返る。頭に直接入ってくるような声。
『水樹、何か言った?』
「うち?何も言ってないよ どしたのー?」
『…なんでもないわ』
気のせいだったのかしら。いや、きっと生徒達の会話よ。だって周りにはたくさんの生徒がいるんだもの。たまたま聞こえただけ。でも、すごく、恐かった。
最初のコメントを投稿しよう!