第一章

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 私の名前は野原日和。  今日から高校生…です。 「いってきまふ。」  私は昔の少女漫画みたいにパンを口にくわえて家を出た。 「お前パンを口にくわえてるのは色気ないな」  柊ちゃんは自分の口元にてをそっと当てて笑った。 …柊ちゃんのクセだ。  彼の名前は神山柊斗。大学生。多分23才。私が小さい頃からよく面倒をみてくれたらしい…。そのせいか柊ちゃんは私の事を子供扱いをする。今も…。 「柊ちゃんっ。今日あいてるかな?」  パンを全部食べ終えて私は柊ちゃんに聞いた。 「あー…。ゴメン。今日はバイト入ってる」  私はそっか、と少し悄気て言った。  柊ちゃんは一人暮らしをしていて勉強とバイトを両立させている。たまに私の家に食べにおいでって言うんだけどいらないっていう。 「いくら高校生になったからって夜遊びとかするなよ」  柊ちゃんは私のおでこに人差し指をツンッとして言った。 …また子供扱いする…。
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