第二章

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「まぁそう警戒するなって。大丈夫だから。な?」  な?って…。いきなり聞かれても分かんないよ。 「しぃ~んっ!!」  不良っぽい彼の後ろから肩まであるくりくりの髪の毛で綺麗な顔立ちの子が抱きついてきた。 「いきなり抱きつくなっていつもいってるだろ」  見た目では彼女だと思う。さすが不良に近い人っていうか…。さっき彼女?が呼んでたのは、彼の名前なのかな? 「ねぇ。この子誰?」  彼女の大きな目が私を見つめてきた。 「誰って言われても名前知らねーしな…。でも多分いいやつっぽいかな」  彼女はそうなの?と言わんばかりに彼に目を向けた。 何なんだろ…。 「やばっ。入学式もうすぐじゃん。行くよ」  彼は彼女の手をつないで体育館に向かった。  いいな…。私もいつかは柊ちゃんと恋人つなぎして…。  想像するだけで私の顔がぽっと赤くなる。ダメダメと思い私も体育館へ向かった。
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