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チアキが去った後、僕は教会の長椅子の端にちょんと座った。
だってなんか堂々と座るのもあれだろ。
チアキが倒れていたところに目をやるとそこには
真っ赤な水溜まりの中に黒い羽根が、一つ落ちていた。
僕は立ち上がり、黒い羽根を取ろうと歩き出す。
羽根を手にとって見てみると、
なんだか落ち着かない気持ちになった。
漆黒のその羽根は
憎しみや、怒り、悲しみなど
負の感情が…詰まっているようだ。
この感情は、チアキのものなのだろうか…
だとしたら、天界でチアキは何があったのだろう。
僕は初めて、あの世に興味が湧いた。
教会に入ってくる日の光が橙色に変わってきた頃。
僕は教会を出ようとしたがあることを思い出した。
そうだ…こっから、でれないんじゃん。
僕は長椅子にごろんと寝転んだ。
幅が狭いため、寝返りはできなかった。
僕は何気なく目を閉じる。
なんだか眠い…このままねてしまおうか。
そのまま僕は深い眠りについた。
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