君は

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ボクは拾い部屋に整列された一番端の椅子に座る。 なんだか、頭がクラクラする。 ボクは一度、大きなため息をつく。 そしたら、父さんが近づいてきた。 父さんはボクの肩に片手をポンと置いた。 「どうした。大きなため息をついて。」 「父さん……」 「具合が悪いか?」 「……頭がなんかクラクラするんだ。」 父さんはボクの額に手のひらを当てる。 熱はないと確認したら手を離した。 「外に行って気分でも変えてこい。まだ少し時間はある。」 ボクは黙って頷くとホールの出口に向かってあるいていった。 会場から出ると外の澄んだ空気を吸う。 やはり前から線香の匂いなどはあまり好きではないな。と思った。 ボクは小さい頃からお経など好きではなかった。 寺や神社なんて大嫌いだった。 初詣なんてくそくらえなんて思った時期もあった。 今はそこまでじゃないけど、あまりその場所には行きたくなかった。 なんだか、そこにいると身体や心が消し飛ばされてしまうんじゃないかと思ってしまうのだ。 ボクの中では 清められる は 消え去る という式が無意識にたてられているのではないか? それはないか…… 単なる好きか嫌いかの問題だろう。 「何やってんだ、石田。」 「うわぁっ?!」 ぶつぶつ考えていると後ろから突然話しかけられた。 「チ、チアキ……!」 「なに独りでぶつぶつ言ってんだよ。こえーぞ。」 「口に出してた?……ご、ごめん……」 「いや、別に。」 ボクはなんだかチアキに会ったら、気分が落ち着いた感じがした。
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